2024年には新NISAも始まる予定で、これからますます投資への環境が整っていきます。
新NISAの成長枠投資ではやはり夢のある個別株買いたいですよね?
やはり個別株投資で怖いのが、買った後に株価が急落するリスク!いきなり大きな含み損を抱えると精神的に結構きついですよね?
株価が大きく動くにはいろいろ理由がありますが、事前にスケジュールされているイベントもありますので、何も考えずに(僕のように)雰囲気で買うと痛い目にあうことも。。。
まずは投資を始めたばかりの場合は銘柄もそうですが、買い方(買うタイミング)でもリスクを抑えることが必要です。
記載している内容は基本中の基本ですが、基本すぎるのかFPのテキストなどにもあまり載っていないので、記事にしてみました。よければ参考にしてみてください!
こんな方に記事を読んでほしいです。
株式投資をこれから始めるまたは、始めたいと思っている方
個別株投資について何から勉強していいかわからない方
買いたい銘柄はあるが買うタイミングがわからない方
注意点その1 決算発表日の直前では買わない
上場企業は年に4回決算発表をする
株式市場に上場している上場企業は3か月ごと(四半期ごと)年に4回決算発表をします。
決算発表では①前年との比較 ②年間計画との進捗 ③年度末の決算の予想 ④来年度の計画 などを発表します。
第2四半期(上期)、第4四半期(本決算)では決算短信のほか有価証券報告書が提出され、詳細な情報が公開されます。
下記表は任天堂(7974)の2021年度決算発表のスケジュールです。
四半期 | 期間 | 決算発表日 |
---|---|---|
第1四半期 | 2021年4月1日~6月末 | 2021年8月5日 |
第2四半期(上期) | 2021年7月1日~9月末 | 2021年11月4日 |
第3四半期 | 2021年10月1日~12月末 | 2022年2月3日 |
第4四半期(本決算) | 2021年1月1日~3月末 | 2022年5月10日 |
決算ギャンブル
決算発表直前に株価が大きく上がることを期待して株を買うことを決算ギャンブルなどと表現されることがあります、つまり大きく上がることもあれば、逆に大きく下げることもあります。
上場企業の決算発表の多くは、決算発表日の15:00に発表されるケースが多く、ちょうどその日の株式市場の取引時間の終了と同時刻です。よって、決算発表の翌日に株価が大きく動きます。
とにかく株式投資を始めたばかりのころは特に決算ギャンブルを避けるのが賢明です。
下記チャートは同じく任天堂で、21年8月5日に5,649円だった株価が決算発表を受けて翌日の8月6日に終値で5,241円まで一気に下がりました。
下のチャートは11月4日の決算発表後、翌日の5日に値上がりしています。(前日の終値4,914円から5,064円まで上昇)
決算が良いから上がるとは限らない
これまでの内容で決算直後に株価が大きく動く可能性が高いことは理解いただけたと思います。
では、単純に決算の良し悪しで決算発表翌日の値動きは決まるのでしょうか?
誰も予想しないレベルの超絶良い決算(いい意味でのサプライズ)であれば上がりますが、年間の会社が決めた計画以上の進捗でも市場予想を下回れば大きく下がることもありますし、赤字転落など悪い決算でも悪材料出尽くしなどと言われ大きく上がる場合もあります。また、株式市場全体の地合いが良ければ特にサプライズのない決算でも大きく上がる場合があります。
さらには、グロース市場の銘柄などは前年比20%以上の伸びでも大きく下げることもよくあります。
いつ買えばよいのか?
明確な答えはないですが、はじめのうちは決算を見てから買うのが比較的安全かと思います。
また、決算直後に大きく上下したような銘柄は株価が少し落ち着くまで様子を見た方が無難でしょう。
注意点その2 配当・株主優待の権利付き最終日の直前に買わない
権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日
注意点その1につづいて購入のタイミングに関する注意点です。
グロース市場では少ないですが、プライム市場に上場しているような企業の多くは株主に対して配当金を支払っています。
また、一部の企業では株主優待制度という形で、自社製品やQUOカードなどで株主還元をしているケースもあります。
これらの配当金や株主優待をもらう権利を取得するには、権利付き最終日までに株式を購入して保有しておく必要があります。
権利付き最終日 | この日までに株式を購入しておく必要がある | 29日 |
権利落ち日 | 株式を売っても配当や優待の権利はなくならない(株式を売ってもOK) | 30日 |
権利確定日 | 権利付き最終日時点の株主が名簿に登録される | 31日 |
配当・優待の権利落ち日前では株価が下がることが多い
すでに気づいている方も多いと思いますが、配当や優待の権利を得た時点でその株式は売られる量のほうが多くなりますので、価格は下がります。
理論的にも株主に配当金を支払うことによりお金が社外に流出しますので、その分株価も下がるということになります。
下記チャートは豪華な株主優待で有名なヒロセ通商のチャートです、ちょうど9月末が株主優待の権利確定日となっており、9月末近くで大きく株価が下がっているのがわかりますね。
いつ買えばいいのか?
高配当銘柄や優待が素敵な銘柄はまずは権利落ち日の確認とその権利落ち日付近のチャートを見ましょう。
そのうえで、配当や優待が欲しければ下がることを見越して早めに購入しておくのが良いかと思います。
うまく権利落ち日に向かって上がれば、配当を受け取るのか、売却して値上がりによる利益を受け取るのか選択肢が広がりますね。
ただし、必ず権利落ち日に向かって必ず上がるとは限りませんし、権利落ち日までの間に前述の決算発表などのイベントもあり、急な株価変動が起こることも理解しておくようにしましょう。
余談ですが、どうしても株主優待が欲しいが権利落ち日が直前という場合は、信用取引の空売りという仕組みを利用した優待クロス取引という手法があります。
(私も実際に何度か挑戦したことがあります😊)
注意点その3 PER(株価収益率)が高い株には注意
PER(株価収益率)
株式の指標はいろいろたくさんありますが、まずはPERを見ましょう。
これは、株式取引をするうえでは基本中の基本となる指標で、式にすると PER = 株価 ÷ 1株当たり利益 となります。
値(倍率)が低ければ株価は割安、高ければ株価は割高ということになります。
PERについてはメジャーすぎるので、指標自体の詳細解説はここではしませんが、PERを見る際のポイントとしては2点、1株当たりの利益は実績ではなく、期末や翌期の予想利益で計算されたPER(予想PER)を見ます。これは四季報やネット証券会社に契約していれば簡単に確認できます。
もうひとつのポイントは、PERは相対比較だということです、何と比較するのかというと、その会社自体の過去のPER、同じ業界または同業他社のPERです。
PERの平均値は業界や市場により大きく異なります、情報通信はPER倍率が高く、建設業などのそれは低い傾向にあり、市場ではプライムよりもグロース市場が高い傾向にあります。
● 1株当たりの利益は実績ではなく予想利益で計算したPERをみる(予想PER)
● 同業種、同業界の平均PERと購入を検討している会社のPERを比較する
IPO間もない高PER銘柄には注意
上場(IPO)間もない会社や、グロース市場の高PER銘柄には注意が必要です。
将来の期待値で短期間で一気に株価が上がる(PER倍率が高くなる)ことがしばしばありますが、しばらくして業績が落ち着いてくると見る見るうちに株価が下がり、結果ちょうどよいPERの倍率あたりに落ち着くことが良くあります。
IPOすぐの銘柄などで波に乗りたいところですが、リスクも非常に高いことを理解しておく必要があります。
また、前段で決算直前の購入には注意するように記載しましたが、二重にリスクをとって、高PER銘柄を決算直前に購入すると、翌日ストップ安なんかもしょっちゅうあります(僕が実際に経験済みです)。
IPO銘柄やグロース市場の高PER銘柄は、IPO後最低1回は決算を経過、業績やPERが落ち着いたと自身で判断できてから購入するのが無難です。
PERの比較事例
マネックス証券の銘柄スカウターが非常に見やすいのでお気に入りなので、まずは過去の予想PERの推移を見てみます。
下記の株式について直近1年で見てみると、2月14日時点の予想PERは22倍です、ここ1年での平均の予想PERは約25倍ですので、この会社単体でみるとPERは割安水準です。また念のためここ3年でみても、予想PERの最低値は21倍でした。
では業界比較ではどうでしょうか?
上記の事例は建設業なので、建設業のPERをJPX(日本取引所グループ)が公開しているデータでみると、2023年1月の建設業の平均PER10.3倍でした、つまり上記の事例は業界比較では割高ですが、過去の推移からは割安となり評価が分かれます。
僕は以前5,000円を下回る価格の時に購入したのですが、判断としては業界の中でもインフラ修繕を専門としている会社で業績もずっと右肩上がり、配当もしっかり出していることから長期保有目的であれば、この会社自体のPERの推移を重視して予想PERが22倍の時に100株購入しました。
※結果株価に上下はありますが、業績は上昇傾向で予想PERは20倍以下になることは今のところなく、含み益を保っています。
実際の失敗事例
次は実際に大失敗した僕の事例です。
この会社の代表がラジオNIKKEIに出演しており、その話に共感を持ったこと、四季報でも当時非常に評価の高いコメントであったことから、過去PERが10倍割れもありましたが、とにかく買いたいという気持ちが強かったので、予想PERが約23倍の時に(PERを気にせず)購入しました。
グロース市場で従業員も100人前後の小型株(時価総額が低い)であり、決算で成長が鈍化が判明したとたんに、みるみる株価が下がり、記事記載時点で△70%(約18万円の含み損)となりました。
気を付けるべきグロース市場の会社で、過去のPER推移を軽視して購入したことから大きな含み損を抱える結果となりました。
まとめ
まとめはタイトル通り以下の3点です。
株価が動く要因はいろいろありますが、少しでも心穏やかに😊個別株投資を楽しめるようにしましょう!
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