FIREって実際にできる?FPが解説します

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FIREするにはいくら必要か?

 ここ数年、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉が注目され多くの書籍が販売されています、この言葉の定義はあいまいですが、投資などで一定の金額を得てその資金を基に配当や利子収入を継続的に得ることで、金銭的に独立した(仕事しなくてもよい)生活を送れるようになるということが一般的な認識でしょう。

 ではFIREするにはいくら必要でしょうか??まずは年間の生活費から逆算してみます。当然住んでいる地域や住居の状況などで大きく変わりますが、まずは社会人の平均年収から年間で必要な額は430万円と仮定します。

 430万円を配当および利息収入で賄う場合、税金(20%)を考慮すると、年間538万円の配当および利息収入が必要となります。

430万円÷(1-0.2)=537.5万円

 この金額を仮に元本をできるだけ減らさず、株式の配当利回りなどで現実的な4%の利息収入から得る場合は、およそ1億3500万円が必要となります。

538万円÷4%=1億3,450万円

 よって、FIREを達成するには、元手となる元本をためること、そしてその貯めた元本から継続的に収入を得るために運用をし続けることの2点が必要となります。

普通の人が1億3,500万円ためるには 

 SNSやYoutubeなどで投資情報があふれていますが、実際にFIREに必要な1億3,500万円を会社員などの普通の人が貯めるには、毎月どれくらいの貯金や投資をすればよいのでしょうか?

 FPの勉強をすると、6種類の係数を学習します、そのうち「減債基金係数」という係数を利用すると、将来の一定の期間後にある金額を得るために一定の利率で一定の金額を複利運用(利息は受け取らずに再度運用に回す)で積み立てる場合に、毎年いくらの資金が必要かがわかります。


計算式は年間積立額 = 設定した金額 × 減債基金係数」となります。
以下に、減債基金係数表(抜粋)を表示していますので、実際に計算してみましょう!

 3%5%7%10%15%16%17%18%19%20%
3年0.3240.3170.3110.3020.2880.2850.2830.2800.2770.275
5年0.1880.1810.1740.1640.1480.1450.1430.1400.1370.134
10年0.0870.0800.0720.0630.0490.0470.0450.0430.0400.039
15年0.0540.0460.0400.0310.0210.0190.0180.0160.0150.014
20年0.0370.0300.0240.0170.0100.0090.0080.0070.0060.005
25年0.0270.0210.0160.0100.0050.0040.0030.0030.0020.002
30年0.0210.0150.0110.0060.0020.0020.0020.0010.0010.001
減債基金係数表(抜粋)

 上記の表では、横に年間の運用利回り、縦に運用期間を表示させています。
では以下いくつかのパターンで実際に計算してみましょう。

ケース1:10年後に1億3,500万円をためる場合の年間必要投資額
①  5%で運用 13,500万円×0.080=10,733万円
② 10%で運用 13,500万円×0.063=847万円
③ 20%で運用 13,500万円×0.039=520万円
正直10年では厳しそうですね、、、

ケース2:20年後に1億3,500万円をためる場合の年間必要投資額
①  5%で運用 13,500万円×0.080=408万円
② 10%で運用 13,500万円×0.063=235万円
③ 20%で運用 13,500万円×0.039=72万円
うーん20年で現実的な5%の運用でも400万円以上毎年必要です。。。

では最後、3,000万円を5%で20年で達成するには、、、
3,000万円×0.03=91万円 これなら現実的な感じがします、またさらに3,000万円を4%程度の配当利回りの株式に投資すれば、年間120万円(税前)配当金を得ることができますので、老後の年金+αには十分ですね。

 実際に数字に落とし込みすると短期間でのFIRE達成はかなり難しいことがわかりますね、実際に株式で少額から大金を稼いで大成功されている方も多くいらっしゃいますが、なかなか普通の方が同じように再現することは困難です、一般的な収入レベルの方は投資は長期的な目線で考えて、焦るあまりハイリスクは投資(投機)に多額の資金を投入するなどしないように、十分に気を付けましょう。


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