友達や親族でクレジット会社への借金がが返せなくなって、困っているような話を時々聞いたり、実際に相談されたりしたことってありませんか??
大金持ちなら、黙って助けてあげたらいいのかもわかりませんが、なかなか現実そうもいきませんので、まずは ①資金使途を確認する、もし相談相手がすでに多くの借金を抱えているなら、②借金の全貌を確認する、①②を把握したうえで、大した金額でなければ助けてあげればいいですし、無理なら法的な手続きなどを勧めるという流れがよいでしょう。
僕はかなり以前ですが(2001~2003年)3年ほど消費者金融会社に勤めていて債権回収の仕事をしていた経験や、その後も金融関連の会社で勤めていますので、その経験も踏まえて記事にしてみました。
1)お金が必要な理由を確認する
当たり前ですが、もしお金を貸してほしいと言われたら理由を聞きましょう。
金融機関で借り入れをするときには、普通は理由(資金使途)を申告します、「何も言わずに100万かしてくれ!」とか言われても普通は貸せませんよね?
普通の人は知人親族に頼るのは最終手段
普段から品行方正の悪い人や親族が資産家などは別として、一般的な社会人が知人や親族に借金をお願いするのは最終手段です、つまり頼ってくる前に、クレジットカード会社のキャッシングや消費者金融のカードローンを借りたあとにとうとう行き詰って頼ってくるケースが多いと思います。
ギャンブルが理由の場合は要注意
消費者金融会社で勤務していたころ、延滞した顧客に対して連絡を取るのですが、体感的に圧倒的に多いのがギャンブルによる借り入れでした。(パチンコ屋近くの換金所のそばで延滞中の顧客を待ってたら、出てきて換金してたのでそのお金から返済してもらったりしたことも時々ありました・・・)
20年前当時は圧倒的にパチンコが多く、今ではおそらくオンラインカジノや高いレバレッジのFXなども多いのではないかと思います。
なぜギャンブルが要注意かというと、結果的に借金を繰り返すことが多いからです。
ギャンブル依存などは社会問題化していますが、実際の経験でも親族などが代払い(代わりに借金を返済)したのちに、しれっとお金を借りに来る人は非常に多く、やはりその理由は体感的にパチンコなどのギャンブルが多かったです。
ギャンブルが理由の時は借金の多寡にかかわらず、その人にお金を貸すかどうかは慎重に判断し、ギャンブル依存症などの疑いがありそうなら、病院や関連の団体などに相談することをお勧めします。
2)借り入れの全貌を把握する
自分の借金は少な目に言う人が多い
まずは、消費者ローンやクレジット会社に借り入れがあるようであれば、それを把握しておかないと、個人的にお金を貸したものの、わずか1か月分の支払いで消えるなど、焼け石に水となりかねません。
私は過去、債権管理の業務で支払いが滞った方に対しては一応借り入れ状況をヒアリングしていました。
※正規の消費者ローンやクレジットカード会社などは、借り入れ情報を指定信用情報機関(CIC、JICC)に登録しますので、金融会社の社員は契約者の借入情報はおおむね把握できます。
そのうえでヒアリングするのですが、結構な割合で自分の借金を少なく申告する人が多いです。
よって、相談された際にヒアリングした金額よりは実際には多少多い可能性があることは念頭に入れておいた方が良いと思います。(個人的な経験上では普通は半分ぐらい、ひどい場合は1/3ぐらいの額を申告してきます)
きっちり確認したいなら指定信用情報機関への開示請求をする
一般的なクレジット会社や消費者ローン会社は、契約者の借り入れ状況を指定信用情報機関と言われるところに、適切に情報を登録しています(しなければならない)。
それら登録された情報や、各社の審査に利用されているほか、消費者側としてはその登録された情報について開示請求をすることで確認ができます。
本人が申告するクレジット会社などに請求する方法もありますが、本人がそもそもすべてのクレジット会社を申告していない可能性もあるので、指定信用情報機関への開示請求が手っ取り早くかつ正確です。
本人が請求することが原則ですが、委任状など定められた書類をそろえれば代理人も開示請求可能です。
下記の2社へ請求すれば、一般的なノンバンクと言われる金融会社おおむねはカバーできると思います。
指定情報機関 | 内容 |
---|---|
株式会社シー・アイ・シー | 略称CIC、VISAやJCBなどのマークがついた、クレジットカードのリボ払い、キャッシング、自動車ローンなどの借入情報 |
株式会社日本信用情報機構 | 通称JICC、旧レンダースエクスチェンジ(LE)の流れから、アコムやプロミスなどの消費者金融会社はこちらの情報機関への登録が多い |
3)どんな対応の方法があるのか?
お金が必要な理由や、他の借り入れの状況がある程度把握できれば、その理由と金額を踏まえて対応を判断します。
大した金額でなければ、そのまま直接援助したり、クレジット会社などへの毎月の支払いを極力減らしてから援助をする、破産していったんやり直してもらうなどがあります。
① 直接お金を渡す
事情や金額によっては、直接お金を貸すまたはあげるという結論になると思います、また任意整理や法的手続きの一部で、クレジット会社などへの支払いを減らすことで、必要な金額がそれらの手続き費用など、助けることのできる範囲になる可能性もあります、いずれのケースにしろ、お金を直接渡す場合には以下の点について留意が必要です。
- お金をあげる(贈与)する場合
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基礎控除(110万円)を超す場合には、贈与税がかかります。
また、相手が将来相続人になる可能性がある場合は、生前贈与加算といい、贈与後3年以内(2024年からは7年)以内に相続が発生した場合に、相続財産として加算されるケースがあります。
それらを踏まえたうえで、契約書などを証跡をしっかり残しておくとよいでしょう。 - お金を貸す場合
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利息を取らないとしても、後々のトラブルを避けるために、必ず「借用書」は作成しましょう。
また、無利息で返済期限などを設けていないと、贈与とみなされるケースがありますので、最低限返済期限は明記しておきましょう。
② 任意整理
借り入れしているクレジット会社などが少ない場合、各社と個別に相談して将来利息のカットや毎月の借り入れ金額を下げるように交渉(和解)することです。借り入れしている本人が交渉することもできますが、弁護士や司法書士に委任することが一般的です。
- メリット
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・任意なので、住宅ローンの維持が可能、また必要書類をそろえるなどの手間が、法的手続きのように厳格ではないので、手続きに関する負担が軽い。
・すべてのクレジット会社と友人や親族が勤めているなど、特定のクレジット会社とは和解をしないなども可能 - デメリット
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・あくまでも任意なのですべてクレジット会社が希望通りの条件に応じてくれるとは限らない。
・元本の減額はほぼ無理と思っておいた方がいい。
・指定信用情報機関へ登録される。
法的手続き
個人の借金に関しての法的手続きには、個人再生手続き、特定調停、自己破産の3つの方法があります。手続きの結果は当然指定信用情報機関に登録されます。
ざっくりですが、それぞれの手続きには以下のような特徴があります。
- 個人再生手続き
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対象となる人は、ある程度収入の見込みがあり、少しづつでも返済が可能な個人(自営または会社員)です。
大きな特徴として住宅ローンの特則があります、つまり住宅ローンを除外して、債務の整理が可能なため自宅を手放すことを避けたい場合に利用することができます。(事前に住宅ローンを借り入れている金融機関との調整は必要です)
現実的には弁護士に依頼して進めることになります、また再生計画などの提出も必要なので、手続きに手間はかかります。 - 特定調停
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裁判所を介してすべての債権者と交渉し(債権者との間に調停委員と言われる人が入ってくれます)債務を整理します、任意整理と同じく元本カットはされませんが、将来利息の停止とリスケジュールによる毎月の支払額の軽減は期待できます。ただ任意整理と違い、すべての債権者が調停に応じる必要があるため、住宅ローンを含め特定の債権者には通常通り支払うということは難しいです。
また大きな特徴としては、手続き自体はあまり難しくないので、自分で申し立てができます、つまり手続きに関する費用は低く抑えることができます。 - 自己破産
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特に説明は不要かと思いますが、手続きを進めて、財産を処分し、免責となれば晴れて借金はなくなります。
手元に残せる現金は99万円までとなり、家や車などの財産も基本的には失います。本当に借金で首が回らない状態で再スタートが必要な場合のように、他に選択肢がない場合の最終手段です。
補足)貸付自粛制度
ギャンブル依存、買い物依存など、自分でもわかっているのについついクレジット会社等からお金を借りてしまうような場合の選択肢に貸付自粛制度というものがあります、「日本貸金業協会」または「全国銀行個人信用情報センター」あてに、原則本人が申告することで、先述したCICやJICCへその情報が登録されて、その情報を利用しているクレジット会社や消費者金融会社は新たな貸し付けができなくなります。
本人が申告するものですが、例えば頼ってきた友人にお金を貸す条件として、貸付自粛制度を利用するというのも、今後繰り返さないためには有効です。
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